naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

東芝、HD-DVDから撤退

東芝がHD-DVDから撤退を発表、これで、新世代DVDは、ブルーレイ・ディスクに一本化される方向になったそうだ。

新世代DVDというのが何なのか、実は詳しくわからないのだが、かつての「VHSvsベータ」同様、分裂した規格が争っているらしいということは、辛うじて知っていた。

まあ、あのビデオの規格争いに比べると、早期に決着がついたという感はある(東芝は今回も負けの方だった)が、それにしても、という気がする。

詳細な事情まではわからないで言うのだが、今回もやはり、各メーカーのエゴというのか、いかに客を自分のところに囲い込むか、しか考えていなかったようにみえる。
売りたいメーカーの論理、というのか。

撤退に伴う喪失は数百億円に達する見込みなのだそうだ。
まあ、それはメーカー側の勝手だが、これまでに、まだ決して安くはないHD-DVDのハードを購入した消費者は、本当にお気の毒だ。

私は、家電に関しては、新しいものに飛びつく方ではない。
DVDにせよ、いまだに録画機を持っていない。再生機はあるが。
テレビも、地デジやら何やらのことは、まったく不案内で、リモコンがきかないなど、いくつも不具合の出つつある、15年以上前に買ったものをいまだに見ている。

しかし、レーザーディスクには、私もやられた。

映像ソフトについても、「レーザーディスクvsVHD」という争いが、かつてあった。

CDが地歩を固めた頃、同じ非接触型のレーザーディスクが勝利をおさめたと見えたので、私は、かなりの数のレーザーディスクのソフトを買い集めた。

ところが、いくらもたたぬ間に、DVDというものが出てきて、レーザーディスクは、またたく間に店頭から消えた。

持っていた再生機が故障してしまったので、私のレーザーディスクコレクションは、目下のところ、場所ふさぎのゴミでしかない。
イオニアが、まだ再生機を製造しているというので、その内買おうとは思っているが、まだぐずぐずしている。

技術開発によって、よりよい商品ができることは、もちろん歓迎すべきだ。
しかし、今使えるものを、長く大事に使いたいユーザーがいることも考えてもらいたいと思う。

古いフォーマット、古いメディアも再生、使用できるような体制をメーカーは維持すべきだと思うのだ。
新しい商品が売れた方が、メーカーとしては利益になる。利益を追求する必要性は、私も企業に勤める者としてわからぬではない。
しかし、技術革新が商品の寿命の短さにつながり、商品の寿命が短い方が、新たな需要につながって好ましい、という考え方は認めづらい。

私の勤める会社は、道路を主に造っている。
それに例えれば、粗悪な工事をして、早く傷んだ方が、次の工事をもらえて嬉しい、と言っていいものではない。

技術開発によるすぐれた商品は、消費者のためになる。
しかし、そのことで、従前の商品、フォーマットを切り捨てていくことは、いかがなものか。

「人間の寿命」に応じたサイクル、例えば、30年、50年という程度の期間は、古いフォーマットの商品を売り続けてほしいし、修理にも応じてもらいたいものだと思う。

手元にたまっている、VHSの録画テープ、LPレコード、レーザーディスク。既に主流でない、これらを、自分が元気でいられるであろう、あと20年は、買い換えずに楽しめることが、消費者のための商売というものだと思う。

今、一応主流のCD、近々、別のものにとって代わられるんではあるまいな・・・。