naokichiオムニバス

67歳会社員。ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

レコード・アカデミー賞歴代大賞受賞曲はどの曲種が多いか

音楽之友社の「レコード・アカデミー賞」。

ふと、歴代の大賞受賞曲をふりかえってみたくなった。

大賞を受賞する曲種はどれが多いんだろう、と思ったのだ。

オペラか、交響曲か、そのへんかな。

手元の「レコード・アカデミー賞のすべて」に、第1回から第50回の受賞盤が載っている。
それに、今年1月号の「レコード芸術」(第51回)。

このようになっている。

   第1回(1963年度)
      ブリテン 戦争レクイエム
         ブリテン=ロンドン響

   第2回(1964年度)
      ワーグナー パルジファル
         クナッパーツブッシュバイロイト祝祭管

   第3回(1965年度)
      グレゴリオ聖歌
         ガジャール神父=サン・ピエール・ド・ソレム修道院聖歌隊

      ※第3回までは、部門賞の表示がないようだ

   第4回(1966年度) オペラ・歌曲・合唱曲部門
      ベルク ヴォツェック
         ベーム=ベルリン・ドイツ・オペラ管

   第5回(1967年度) オペラ・声楽曲部門
      ワーグナー トリスタンとイゾルデ
         ベームバイロイト祝祭管

   第6回(1968年度) 器楽曲部門
      バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティー
         シェリング

   第7回(1969年度) 特別部門
      ドイツ歌曲大全集
         F=ディースカウ他

   第8回(1970年度) 声楽曲部門
      シューベルト 歌曲大全集第1巻
         F=ディースカウ、ムーア

   第9回(1971年度) 特別部門 日本人作品
      現代日本チェロ名曲大系
         岩崎 洸

   第10回(1972年度) 現代曲部門
      新ウィーン楽派弦楽四重奏曲全集
         ラサール四重奏団

   第11回(1973年度) オペラ部門
      ワーグナー ニーベルングの指環
         ベームバイロイト祝祭管

   第12回(1974年度) 交響曲部門
      ブルックナー ロマンティック
         ベームウィーン・フィル

   第13回(1975年度) 声楽曲部門
      シェーンベルク グレの歌
         ブーレーズ=BBC響

   第14回(1976年度) オペラ部門
      ヴェルディ マクベス
         アバドミラノ・スカラ座

   第15回(1977年度)
      該当なし

   第16回(1978年度) 室内楽曲部門
      シューベルト ます
         ブレンデルクリーヴランド弦楽四重奏団

   第17回(1979年度) 現代曲部門
      ヴェーベルン全集
         ブーレーズ=ロンドン響他

   第18回(1980年度) 交響曲部門
      ベートーヴェン 交響曲全集
         バーンスタインウィーン・フィル

   第19回(1981年度) 声楽曲部門
      ハイドン 歌曲全集
         アメリング、デムス

   第20回(1982年度) オペラ部門
      ヤナーチェク 利口な女狐の物語
         マッケラス=ウィーン・フィル

   第21回(1983年度) 交響曲部門
      ブラームス 交響曲全集
         バーンスタインウィーン・フィル

   第22回(1984年度) オペラ部門
      ワーグナー トリスタンとイゾルデ
         バーンスタインバイエルン放送響

   第23回(1985年度) 協奏曲部門
      ベートーヴェン ピアノ協奏曲全集
         アシュケナージ=メータ=ウィーン・フィル

   第24回(1986年度) 声楽曲部門
      ザルツブルク音楽祭1957~1965年ライヴ
         F=ディースカウ、ムーア

   第25回(1987年度) 室内楽曲部門
      バルトーク 弦楽四重奏曲全集
         アルバン・ベルク四重奏団

   第26回(1988年度) オペラ部門
      ドビュッシー ペレアスとメリザンド
         アンゲルブレシュト=フランス国立放送管

   第27回(1989年度) オペラ部門
      ベルク ヴォツェック
         アバドウィーン・フィル

   第28回(1990年度) 管弦楽曲部門
      ドビュッシー 海、遊戯、聖セバスティアンの殉教、牧神の午後への前奏曲
         デュトワモントリオール

   第29回(1991年度) 音楽史部門
      モンテヴェルディ 聖母マリアの夕べの祈り
         ガーディナー=イギリス・バロック

   第30回(1992年度) 交響曲部門
      マーラー 交響曲第9番
         バーンスタインベルリン・フィル

   第31回(1993年度) 音楽史部門
      モンテヴェルディ ウリッセの帰還
         ヤーコプス=コンチェルト・ヴォカーレ

   第32回(1994年度) 交響曲部門
      ベートーヴェン 交響曲全集
         ガーディナーレヴォリュショネール・エ・ロマンティーク管

   第33回(1995年度) 交響曲部門
      ベルリオーズ 幻想交響曲
         チョン・ミョンフン=パリ・バスティーユ

   第34回(1996年度) 音楽史部門
      モンテヴェルディ ポッペアの戴冠
         ガーディナー=イギリス・バロック

   第35回(1997年度) 声楽曲部門
      シューベルト 世俗合唱曲全集
         オルトナー=アルノルト・シェーンベルク合唱団

   第36回(1998年度) 交響曲部門
      ブルックナー ロマンティック
         ヴァント=ベルリン・フィル

   第37回(1999年度) 室内楽曲部門
      プーランク 室内楽全集
         サージュ、デュフール、メイエ、パユ、ルルー

   第38回(2000年度) オペラ部門
      ムソルグスキー ボリス・ゴドゥノフ
         ゲルギエフ=マイリンスキー劇場管

   第39回(2001年度) オペラ部門
      ヴェルディ ファルスタッフ
         アバドベルリン・フィル

   第40回(2002年度) オペラ部門
      グルック トーリードのイフィジェニー
         ミンコフスキ=レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル-グルノーブル

   第41回(2003年度) オペラ部門
      ヘンデル ジュリアス・シーザー
         ミンコフスキ=レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル-グルノーブル

   第42回(2004年度) 交響曲部門
      ショスタコーヴィチ 交響曲第4番
         ゲルギエフ=マイリンスキー劇場管

   第43回(2005年度) 器楽曲部門
      バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティー
         クレーメル

   第44回(2006年度) オペラ部門
      ワーグナー ラインの黄金ワルキューレジークフリート
         カイルベルトバイロイト祝祭管

   第45回(2007年度) 交響曲部門
      マーラー 千人の交響曲
         ブーレーズ=ベルリン国立管

   第46回(2008年度) 協奏曲部門
      バルトーク 2台のピアノと打楽器のための協奏曲、ヴァイオリン協奏曲第1番、
              ヴィオラ協奏曲
         エマール、クレーメルバシュメット他=ブーレーズ=ロンドン響、ベルリン・フィル

   第47回(2009年度) オペラ部門
      ベッリーニ 夢遊病の女
         デ・マルキ=チューリヒ歌劇場ラ・シンティッラ管

   第48回(2010年度) 声楽曲部門
      ブラームス ドイツ・レクイエム
         アーノンクールウィーン・フィル

   第49回(2011年度) 交響曲部門
      ハイドン ロンドン・セット
         ミンコフスキ=レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル-グルノーブル

   第50回(2012年度) 協奏曲部門
      ベルク、ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
         ファウストアバドモーツァルト

   第51回(2013年度) オペラ部門
      ベッリーニ ノルマ
         アントニーニ=チューリヒ歌劇場ラ・シンティッラ管

「該当なし」が1回あるので、全50回の大賞を、曲種で見ると、上位はこうなる。
(部門賞表示のない3回については、戦争レクイエムを声楽曲、パルジファルをオペラ、グレゴリオ聖歌集を音楽史に便宜上分類)

   オペラ 16回
   交響曲 10回
   声楽曲 7回(第7回のドイツ歌曲大全集を加えると8回)
   音楽史 4回
   協奏曲、室内楽曲 各3回

やはり、オペラが圧倒的に多い。大部分が組物という物量的な面も影響しているかもしれない。

声楽曲部門を加え、声楽系で半数近くを占めることになる。

交響曲も予想通り多いが、交響曲部門からの初大賞が、第12回と遅いのは意外。同様に、協奏曲部門からの初大賞が、もっと遅く第23回というのも、意外なことだ。

管弦楽曲部門が、僅かに1回だけというのは、もっと意外だ。

現代曲は、ラサール四重奏団の新ウィーン楽派ブーレーズ監修のヴェーベルン全集の2回あるが、いずれも現在なら現代曲部門には入らないだろう。

レコ芸では、特選盤の点数がきわだって多い器楽曲からの大賞は、2回にとどまっていて、それがいずれも、バッハの無伴奏ヴァイオリンというのも面白い現象だ。

51回の歴史の後半あたりから、音楽史部門の大賞が目立つようになる。ガーディナー、ヤーコプス、ミンコフスキといった指揮者が、音楽史部門以外も含めて目立ってくるのも、演奏様式の変遷を反映していて興味深い。

同じく、指揮者で見ると、アーノンクールの大賞が1回しかないのに対して、ブーレーズが、長期にわたって大賞の常連であるのが対照的だ。

※関連の過去記事
    レコード・アカデミー賞のすべて
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/63537989.html
    カラヤンは誰に敗れてレコード・アカデミー大賞を受賞できなかったか
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/63718599.html
    レコード・アカデミー賞を何度も受賞した曲
       http://blogs.yahoo.co.jp/naokichivla/63741944.html