naokichiオムニバス

68歳、ヴィオラ弾き。ビール大好き。毎日元気。

桜が遅いですね

2024年は桜が遅いですね。

 

3月26日(火)、行きつけの床屋に行くために日本橋へ。

髙島屋、丸善脇の日本橋さくら通りは、雨の中こんな感じでした。

床屋の店員さんが、今年は遅い、と言ってました。

 

こちら浦安市

3月29日(金)、浦安ユースオーケストラのGPに参加するために、浦安市文化会館へ。

文化会館脇、楽屋口近くの桜もまだ。

 

翌30日(土)、ユースオケ本番に向かうべく、新浦安駅からおさんぽバスに乗車。

車窓から見る境川沿いの桜並木もまだ。

 

そしてこちらは千葉市

昨31日(日)の夕方、東京芸術劇場に千葉県少年少女オーケストラの定期演奏会を聴きに行った帰り、自宅近所の公園に立ち寄ってみた。

 

同じ公園で、昨年3月28日(火)、妻と桜を見たのだが、その時の写真がこちら。

 

一方、同じ公園の今年、昨31日。

 

まだまだですが、この樹の下の方に、ちらっと花びらが。

 

もう近い内に満開になることでしょう。

 

菜の花がきれい。

 

ポリーニ=ベーム=ウィーン・フィルの「ミッシェル」

ポリーニ逝去に伴うさまざまなネット投稿の中で、こんな映像を見かけた。

 

youtu.be

 

何とも珍品というべきか。ポリーニベームウィーン・フィルの「ミッシェル」。

 

モーツァルト風のアレンジだ。そこが辛うじてベームウィーン・フィルとつながらないでもないが、こういう音楽を振っているベームの姿には、やはり違和感の方が大きい。

 

何かのアンコールなんだろうか。途中、手拍子が起きるのがまた珍妙。

 

コンマスはヘッツェルさん、トップサイドがキュッヒルさん?

ポリーニ逝去

23日(土)夜、旧Twitterを観ていて、マウリツィオ・ポリーニが亡くなったことを知った。

急ぎネットニュースを検索してみたが、それらしいニュースは見つからず、もしかしたらフェイクニュースか? とも思ったが、朝になって、間違いないことがわかった。

 

82歳。早すぎるとは言えない年齢だが、やはり残念だ。

 

私がポリーニの存在を知ったのは、1973年、高校3年の時。

例のショパンエチュードのレコードが、「レコード芸術」の推薦盤になったのを見たのが最初だと思う。月評子、小石忠男氏の評文の見出しは、「玲瓏たるショパン」だった。

デビュー盤のストラヴィンスキープロコフィエフの1枚は記憶にない。

 

初めて買ったポリーニのレコードは、ショパン前奏曲集。1976年、大学3年の時だった。以後、在学中には、シェーンベルクのピアノ作品集、シューベルトの「さすらい人幻想曲」、D845のソナタを買って聴いた(エチュードに関しては、前後して出ていた競合盤、アシュケナージの方を買った)。

ショパンにせよ、シューベルトにせよ、「その曲を聴くのは、ポリーニのレコードが初めて」だった。つまり、曲ともアーティストともこれが出会いだったわけだ。

その後、今日に至るまで、リリースされるポリーニの録音は、そのほとんどを買い求めたきたが、結局のところ、一番強く印象に残っているのは、ショパンシューベルトの2枚である。曲のよさも、ポリーニというピアニストのイメージもこの2枚で私の中にできあがった。

(ポリーニの代名詞とも言えるエチュードのレコードを買ったのはずっと後のことだ。ポリーニの演奏でのハ長調の1曲目のあざやかさには確かに黙らせられるものがあったが、結局、曲への好みの違いだろう、前奏曲集の方を何度も聴いてきた)

ポリーニショパンについてつけ加えれば、主に1970年代から90年代、ドイツ・グラモフォンに次々録音しながら、結局、曲種としては、即興曲マズルカ、ワルツの全曲を残さなかった。本人がこれらの曲種を好まなかったのだろうか。一部の曲は近年のリサイタル盤で聴けるのでよしとすべきかもしれない。

 

私のレコード蒐集歴において、ピアニストについては、ポリーニアルゲリッチが特別な存在だ。ただ、アルゲリッチは、80年代からソロ曲をまったく録音しなくなったので、ピアノソロのレパートリーにおいては、ポリーニが唯一無二の存在だった。

学生時代に前記2枚のレコードを聴いて私の中にできあがったポリーニ像は、技術的な完璧さ、そして硬質にして深さやうるおいも持ったピアノの音だった。

また、ポリーニならとにかく間違いない、というイメージの確立には、柴田南雄氏、吉田秀和氏の批評を読んだ影響が大きい(尚、両氏の影響は、小澤(征爾)さんについても大きい)。

 

そんなポリーニだが、しょっちゅう日本に来てくれていたのに、実演に接する機会を持たぬままだった。あまりに頻繁な来日だったので、いつでも行ける、いつか行こうと思っていながら、実現させずに過ぎてしまった。

ポリーニも高齢になってきたので、いい加減聴かねば、と思って初めて行ったのが、2012年のことだった。

マンゾーニ、シャリーノの作品とベートーヴェンソナタを組み合わせた演奏会2回を、妻と聴きに行った。1回目の演奏会では、生で初めて聴くポリーニのピアノの音が、レコードで親しんでいたものと異なるのにとまどった。2回目の演奏会ではそういうことがなく、満足した。

 

2016年の来日公演は、妻とミューザ川崎に聴きに行った。シューマンの幻想曲がめあてだったのだが、曲目変更でこれがなくなってしまい、落胆した。

 

2018年にも行っている。

妻と行った演奏会は、ベートーヴェンの「ハンマークラヴィーア」を楽しみにチケットを買ったものの、これが事前告知でショパンの3番のソナタに変更になり、それはそれで楽しみと会場に着いたら、再度の曲目変更で、なくなってしまっていた。

ショパンの3番ソナタは、この演奏会に先立って行われた演奏会を妻が1人で聴いて、「鳥肌もんだった」と言っていただけに、聴けなかったのが残念だった。

結局これが最後の来日公演になったと思う。

 

実演に関しては、このように晩年3回の来日公演に行ったが、やはり今となると、1970年代あるいは80年代に聴いておくべきだったと思う。

 

しかし、残された夥しいディスクで、今後もポリーニを聴いていこうと思う。

 

先月は小澤さんが亡くなった。

1985年に芸術現代社から出版された「小澤征爾の世界」という本がある。

 

日頃手に取ってめくることが多い本だが、この中に小澤さんのインタビュー記事があり、「協演されたソリストで“これはすごい”と思われた人は」という質問がある。

 

小澤さんの答えには、ルービンシュタインルドルフ・ゼルキンポリーニアルゲリッチ、ピーター・ゼルキン、さらにロストロポーヴィチパールマン、スターンが挙げられている。

刊行から40年近く経ち、小澤さん当人は亡く、ここに回答されたソリストもほとんどが他界している。何度も何度も読んできたインタビュー記事だが、小澤さん、ポリーニが相次いで亡くなった今、改めて読み直して、1時代が過ぎた、との思いを強くする。

(ポリーニと同世代のアルゲリッチが健在で、今年の5月にも別府の音楽祭に来日するのは何よりだ)

 

自分のクラシック音楽鑑賞歴において、同じ時代をずっと一緒に歩かせてもらったポリーニに感謝を捧げたい。

 

※過去の関連記事

    太田胃散
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       https://naokichivla.hatenablog.com/entry/66169327

浦安シティオーケストラ練習日誌<2024.3.24> 1ヶ月ぶり本番指揮者の合奏

日 時 : 2024年3月24日(日) 13:30~16:30
場 所 : 美浜中学校武道場
指 導 : 本番指揮者K先生
内 容 : 合奏
曲 目 : コンチェルト(1~3楽章)、悲愴(3・4楽章)
弦人数 : 9・7・6・7・4

 

24日(日)の浦安シティオーケストラの練習は、本番指揮者K先生による合奏。K先生が来られるのは2月25日(日)以来1ヶ月ぶり。

 

最初は、チャイコフスキーのヴァイオリン・コンチェルトから。

前週の練習と同様、ヴァイオリンのTさんのご子息が代奏ソリストを務めて下さった。

1楽章から楽章順に3楽章まで、通しはなしで止めながらの練習だった。

前回、トレーナーの(K)先生から、指揮を見たりソロを聴いたりするだけでなく、オケ内で横の連携も意識するようにとのお話があった。

今回はそれを心がけながら弾いた。

 

休憩の後、チャイコフスキーの「悲愴」。今回は3楽章と4楽章を練習した。

いつも苦心する1楽章がなかったので、ちょっと気が楽。

両楽章とも、通してから冒頭に戻って返し練習の手順。

いつもの通り、K先生の練習は念入りで丁寧だった。だいぶレベルアップできたように思う。

 

1ヶ月ぶりの本番指揮者という緊張感はあったが、充実した合奏だった。

 

※練習往復に聴いた音楽

    ワーグナー ワルキューレ

       カイルベルトバイロイト祝祭管

    バッハ アリア

       カラヤンベルリン・フィル(1964年録音)

    バーバー アダージョ

       東京クヮルテット

    ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第30番、31番、32番

       ポリーニ(2019年録音)

    ストラヴィンスキー 「ペトルーシュカ」からの3楽章

    プロコフィエフ ピアノ・ソナタ第7番

    ヴェーベルン ピアノのための変奏曲

    ブーレーズ 第2ソナタ

       ポリーニ

110年ぶりの新入幕力士優勝濃厚

三月場所は、13日目を終わって、

   1敗 尊富士

   3敗 豊昇龍、大の里

という展開。

 

3敗の両力士は、既に尊富士との対戦を終えており、尊富士がそれ以外の力士に連敗するケース以外に、優勝決定戦に持ち込めるチャンスはない。

いよいよ、110年ぶりの新入幕力士の優勝が現実味を帯びてきた。

 

新入幕力士の優勝と言えば、平成26年九月場所の逸ノ城が、達成すれば100年ぶりと騒がれたのを思い出す。13勝したものの、14勝で優勝した横綱白鵬に敗れた。

昨年七月場所では、伯桜鵬が豊昇龍、北勝富士と優勝争いを演じた。

(続く九月場所の熱海富士も優勝決定戦進出する活躍で一躍注目を集めたが、再入幕だった)

その記憶も新しい中、先場所の大の里も新入幕優勝の声があったが、琴ノ若、豊昇龍、そして琴ノ若との決定戦を制して優勝した照ノ富士に3連敗して、11勝にとどまった。

 

2場所続いての新入幕力士の優勝争いだが、上位力士が皆早々に星を落とし、横綱照ノ富士が休場、大関霧島も極度の不振。その間を縫うようにして、全勝を保つ形で、単独トップに立って走ってきた。

 

逸ノ城、大の里が、立派な体格だったこともあり、手がつけられない勢いを感じさせたのに対して、尊富士は格別の巨体でもなく、両力士のような目立った印象はないままに勝ち続けてきた印象がある。

しかし、よほど力が強いようなのと、非常に堅実な相撲を取っている。特にスピードがすごい。

審判部としては、上位が星を落としていることもあり、全勝で走る尊富士を9日目に早々と三役の阿炎に当てた。ところが、その阿炎を一方的に破ると、ここから先場所の主役、大の里、新大関琴ノ若と、立て続けに下して、全勝を保ち続けた。

これらの相撲を観ると、前記の力の強さとスピード、そして新入幕とは思えぬ落ち着きで、初めて対戦する上位力士と五分に取るどころか、その上を行く相撲ぶりに驚く。おそらく、阿炎も大の里も琴ノ若も、決してまずい相撲を取ったわけではなく、落ち着いて対応しながら、まだまだと思う内にやられてしまった、そんな感じではないだろうか。今日の若元春も同様だった。

大きな琴ノ若をいっぺんにもっていった力の強さ、若元春に左四つに持ち込まれながら体勢を整えさせずに勝負を決めたスピード。

派手さはないが、非凡なものを感じさせる。

優勝すれば、三賞すべてを受賞してもおかしくない内容だ。

(時間いっぱいの塩で、呼出から渡されたタオルを使った後、それを丁寧にたたんで返しているのに気がついた。長年相撲を観てきてこういう動作は初めて見る。落ち着いている証だろうか)

 

14日目の対戦相手は、朝乃山に決まったそうだ。番付で言えば貴景勝だろうが、今日の琴ノ若戦で右腕を傷めた様子もあり、仮に休場で尊富士の不戦勝となっては盛り上がりもポシャる。同じ大関の霧島ももう10敗では止める期待を持てない。

朝乃山はそうした中の人選としては妥当なところだろうが、千秋楽はどうするのか。豪ノ山も4敗となった現時点では、対戦相手に推しにくい。やはり尊富士優勝が濃厚だろう。

 

それにしても大の里は悔しいだろう。先場所、自分も狙って跳ね返された新入幕優勝を次の場所に達成される、それも直接の対戦で勝てなかったのだから。

(それにしても、あの大の里=尊富士戦、物言いがつかなかったのは何故か。リプレイを繰り返し観ても納得がいかない)

 

今場所休場した、部屋の兄弟子、照ノ富士が、序二段への陥落から復活して2回目の幕内優勝を果たした令和2年七月場所の番付が、東17枚目だった。

今場所の尊富士は、それと同じ東17枚目だ。

 

先場所、十両優勝したこともあって、幕内優勝した照ノ富士のパレードの助手席に乗り、この景色をいずれ自分のものとして見てみたいと語ったと伝えられる尊富士が、早くも翌場所それを現実のものにするのだろうか。

(十両優勝の翌場所、幕内優勝した力士は過去にいただろうか)

 

尚、新入幕場所の初日からの連勝記録は11。これまでの記録保持者大鵬に尊富士が64年ぶりに並んだわけだが、大鵬の場合、12日目、小結柏戸に敗れた翌日は勝ったものの、最後の2日は連敗して12勝3敗で場所を終えている。

   ○○○○○○○□○○○●○●●

尊富士も、13日目現在、大鵬と同じ星取での12勝1敗だ。さて、14日目、千秋楽の勝敗はどうなるだろうか。

クァルテット・エクセルシオ結成30周年記者会見

いつも演奏を聴き、うらやすシンフォニエッタではご指導もいただいている、クァルテット・エクセルシオの先生方。

 

昨21日(木)に、結成30周年記者会見が開かれた。

ちばマスターズオーケストラの弦分奏のため、あいにく、リアルタイムでは配信映像を観ることができなかったが、YouTubeチャンネルにアーカイブ映像が載ったので、おいおい拝見したい。

 

とりあえずここにも貼っておきます。

www.youtube.com

天海祐希さん

昨21日(木)、ちばマスターズオーケストラの練習で、本八幡に向かうために乗った電車の中で見た広告。

 

 

うん、これ、テレビでよく観る免疫ケアの広告ね。

と思いつつ、右手のドア脇に目を向けると・・・。

 

ん?

同じ天海祐希さんだけど、こっちはビール?

違う商品なのに、何か背景色が酷似してるなあ。

 

改めて免疫ケアの方を見ると、あ、どっちもキリンなんですね。

だからわざと?

 

ところで、4月2日(火)に発売されるキリンの新しいビール、その名前はまだ内緒らしいんですが、こちらを見ると。

 

今田美桜ちゃんの両肩のところに隠れてるのが、その名前?

「晴」と「風」ですかね。

「晴れ風」? 「晴る風」?

ちばマスターズオーケストラ練習日誌<2024.3.21> 弦分奏

21日(木)は、ちばマスターズオーケストラの弦分奏。

練習会場は、前日、千葉県少年少女オーケストラの公開リハーサルで行ったばかりの市川市文化会館

 

日 時 : 2024年3月21日(木) 13:00~16:45 
場 所 : 市川市文化会館第1練習室
指 導 : トレーナーM先生
内 容 : 弦分奏
曲 目 : ラフマニノフ(1~3楽章)、ワーグナー
弦人数 : 5・6・6・0・0

 

このオケの弦分奏に出席するのは2回目。前回、2月の時は欠席してしまった。

 

チェロ、コントラバスの参加者がなく、ヴァイオリンとヴィオラだけでの練習となった。

ヴィオラもSeさんが欠席で6人だった。

 

ラフマニノフのピアノ・コンチェルト第2番を中心に練習した。

1楽章からスタート。再現部まで行ったところで一旦休憩。

その後、練習番号11から再開して楽章終わりまで。

続けて2楽章を練習して、再度休憩。

その後3楽章を練習した。

M先生のお話では、このコンチェルトは、ヴィオラとチェロの役割が重要とのことだった。個人的には浦安シティオーケストラで一度本番をやった経験があるので、がんばりたい。

 

残り時間で、ワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」。今回は、前奏曲は飛ばして「愛の死」、さらにその前半を練習した。

 

どちらの曲も、M先生の練習は、その都度必要なパートを取り出して弾かせる細かいものだった。

ここは家でさらって下さい、と言われた箇所がたくさんあった。

 

次回は、28日(木)の合奏である。

 

※練習往復に聴いた音楽

    ワーグナー=リスト 「トリスタンとイゾルデ」愛の死

       小山実稚恵

    ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ前奏曲と愛の死

       ベームバイロイト祝祭管(全曲盤から)

       C.クライバードレスデン国立歌劇場管(全曲盤から)

    ワーグナー ワルキューレ

       カイルベルトバイロイト祝祭管

千葉県少年少女オーケストラ第28回定期演奏会 公開リハーサル

20日(水)、市川市文化会館で行われた、千葉県少年少女オーケストラの公開リハーサルに出かけた。

 

31日(日)に東京芸術劇場で開催される定期演奏会に向けてのリハーサルである。

少年少女オーケストラの公開リハーサルには、昨年も行っている。この驚くべき水準のオーケストラはどんな練習をしているのか、と思ったからだった。

今回、重ねて出かけたのは、指揮が井上道義さんだからだ。今年いっぱいで引退される井上さんの指揮に接する機会は残り少ない。先日も新日本フィルマーラーの3番を聴きに行った。その井上さんにとって縁の深い少年少女オーケストラのリハーサルは是非見ておきたい、と思ったのだった。

 

久しぶりの市川市文化会館へ。

街灯に、「完売御礼」の表示がついたコンサート案内。鈴木雅之さん、さだ(まさし)さん。

 

入場時に名前と連絡先を紙に記入。

注意書きの紙と、観覧エリアを示した座席表をもらった。

 

12時半過ぎ、観覧エリアの内、13列20番の席に座った。

ステージではオケメンバーが既に座ってさらっている。男女とも本番衣装らしき白黒。

ヴィオラは12人。

リハーサルは13時開始だが、下手側から、早々と井上さんが出てきた。客席に下りて、私の3列前、観覧エリアよりも前の10列20番に座られた。

ステージ上には音楽監督の佐治薫子先生の姿も見えた。

 

定刻より少し早く、リハーサルがスタートした。

「天体の音楽」を通し演奏した後、すぐにメンバー入れ替えが行われ、バッハの「シャコンヌ」。齋藤秀雄氏の編曲だから、井上さんにとっても思いの深い曲だろう。これも通した後、最後の和音の内、fisの音は演奏せず、aとeだけにするよう指示があった。fis抜きで試しに演奏したところで、井上さんが客席を向いて「違い、わかりますか」。

この後も、何度か客席に話しかける場面があった。

 

休憩の後、「運命」。これも全曲通した。終楽章はリピートなし。

毎回感嘆していることだが、弦の音がとにかくきれいだ。

 

さらにアンコール曲の練習。ここでは、舞台袖から子供たちがたくさん出てきて立ったまま暗譜で演奏に加わる。コロナ前は定番だった方式だ。

 

ここで再度休憩となった。

ここまでで、ヴァイオリンの音がずいぶん強く聞こえていたので、せっかくだからヴィオラ寄りの上手側に移ることにした。

16列の32番が空いていたので座ると、たまたま同じ列に元浦安シティオーケストラのヴァイオリンの団員だったYさんがおられ、声をかけて下さった。お子さんがチェロで参加しているのだそうだ。このオケで活動されているとは大したものだ。いずれ浦安シティオーケストラに入団してくれるといいが。

 

休憩後は返し練習。

 

コンミスが立ち上がると、音出しをしていたオケがすぐさま静まるのがすごい。浦安シティオーケストラではそれができない。

 

アンコール曲。

井上さんが、バスドラムが直立していて叩きにくそうなので、傾けられないか、と提案。工夫してやってみて、との指示にあれこれ試みているところへ、舞台袖から佐治先生が出てきて、山台上段の打楽器セクションまで上がって行かれた。音楽監督、すごい。やがてとりあえず何とかなった。

この曲では、曲締めのところでチェロも含めて全員が立奏となる。その練習もあった。

 

「天体の音楽」。

この曲に限らないが、井上さんの指示への対応がとても速い。

「○小節目から」「ヴァイオリンだけ」と言って、本当にすぐ振り始めるのだが、みんなついて行く。すごい。

井上さんが指揮をやめると、全員がぱっとやめるし。これもうちのオケではなかなかできないことだ。

 

管と弦のトレーナーの先生が何人かおられ、客席で聴いている。しばしば井上さんが振り向いて、聞こえ方やバランスを確認していた。

客席に向かって「指揮台の上は音が悪いんですよ。ここにいると自己満足になるんです」と話されていた。

 

シャコンヌ」。

「楽譜にpと書いてあっても、俺がこうやったら(大きな動作)、どんどん吹け。楽譜は音楽じゃない」、と言われていたのが印象的だった。

後半、ヴィオラがDdurできれいなメロディを弾くところがある(練習記号Rから後?)。井上さんが弦のトレーナーに、「ここのヴィオラ、もっといい音が出てほしいんだけど、どうしたらいい?」と尋ねた。トレーナーからピッチの指摘があり、「そこで局面が変わるのに、準備が足りないかな」とも。やり直したらよくなった。

 

「運命」が残っていたが、16時過ぎ、公開リハーサルは終了した。

あの後、さらに練習したのだろうか。

 

31日、本番のチラシはこちら。

 

この日は、浦安シティオーケストラの練習日だが、欠席させてもらって、こちらを聴きに行く。

カイルベルトの「ラインの黄金」を聴いて、改めて

ここ数日、外出時に、久しぶりにカイルベルトの「ニーベルングの指環」をウォークマンで聴いている。

 

改めて思ったが、何と良好な音質だろう。

 

1955年のバイロイト音楽祭のライブ録音だよ。

1955年と言えば、私が生まれた年だ。つまり69年前。

ギリギリステレオ録音初期の69年前の演奏を、こんなにリアルに聴けるなんて。

ステレオ録音が間に合ってくれてよかった、としみじみ思う。

 

私がクラシック音楽に力を入れて聴くようになったのは、高校から大学にかけての時期だ。

大学に入った1974年はちょうど半世紀前になるが、フルトヴェングラー没後20年の年だった。

大学時代、フルトヴェングラーのレコードはずいぶんあれこれ買い集めたものだが、どれもモノーラルの悪い録音だった。

カラヤンなど、その当時の最新のステレオ録音と比べれば、25年、あるいは30年前のフルトヴェングラーのレコードは本当に見劣りする音だった。

この時点で、25年、30年前との落差は本当に大きかった。

しかしながら、今、2024年からさかのぼって69年前のカイルベルトの「リング」は、今の水準と比較して何の遜色もない。

 

つくづく、ステレオ録音の確立というのは、今日の価値観から見ても、いわば「完成形」だったんだな、と痛感する。

 

そんなありがたさをかみしめつつ、「ラインの黄金」から「ワルキューレ」へ聴き進めているところである。

 

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